12年前に発売になったEDIROL名義の M-10DX、やはりRolandらしいデジタルミキサーでした。
小さくて軽い筐体に十分な入力数と、デジタルならではの機能を盛り込んだ意欲作ですね。初めての会場でマイクリハ的な短い間に音場の特徴をつかむのは、なかなか難しいものですが、Room AcousticやFinalizeといった機能は、そこをうまくフォローしてくれそうです。特にFinalizeは一人で準備するときには、安心感がありますね。
同時期までのミキサーに対してよくいわれる “デジタルミキサーの線の細さ”というのもあまりなく、着色のなさと、ガリやノイズとは無縁の素地の良さが嬉しいです。
唯一気になったのはボリュームの上げ下げのカーブが、掴みにくいところです。絞り切る手前で「あれっ」というくらい消えてしまう感じ。おそらく音源をすべて立ち上げたら、あまり演奏中に動かさないようなDTM的な製品としての性格なのでしょうが、少し惜しいです。
とはいえ、電池駆動できるデジタルミキサーを探しても、ZOOMのLIVETRAKあたりまで、そうそうないことでしょう。良い部分を活かして使い込んでみようと思います。