福寿会館は洋館と→ |
和室が廊下でつながっている |
Diego Jascalevich、チャランゴのソロと箏奏者を擁するユニークな編成のバンドとの、切れ目なく変幻する自在なパフォーマンスでした。
ストイックなソロ演奏においても、楽器の持つ“軽み”を忘れることなく、心のひだにひらりと問いかけてくるアプローチは、一層素晴らしいです。見知らぬ遠い世界の哀しみ、苦しみが、時空の隙間を震わせながら、すべての人が心の奥深く眠らせている叫びを呼び覚ましにくるかのようです。
アンサンブルでは、四人が圧倒的に巧いということが、何の基準にすらならないほどに、一つひとつの音が凛とした存在感を放ちます。それは競い合うディベートではなく、慣れ合ったおしゃべりでもなく、初めて聞く言葉同士で交わされる、怖れを伴った囁きのようでもありました。
パーカッションを手渡し、インプロを促すディエゴの、次の世代に何かをつなげようとする素敵でお茶目なオジサンの情熱は、子どもたち(や、大人にも全く同じように、何かヤレ、と振るのだけれど;)にも、今はわからないかもしれない何かを 伝えたに違いないと思うのです。