ケースや小物類をストックした、小さな物置が店内にあります。
スペース的には非常に小さいので、店舗設計の方も
「こんな狭いんじゃ、たいして何も置けませんよ。」
と、冷たく言い放ったのを覚えています。
実際には旧店舗で、そういったユーティリティな場所が不足していたので、
このスペースの重要さについては、僕も譲りませんでした。
ギリギリまでスペースを活かしたかったので、扉も開きでなく、
引き戸を指定しました。
「引き戸にしたら、どうせ開きっぱなしになりますよ。」
と、これも、冷たく言われました。
激しく設計をめぐって対立もしましたが、安きに流れなかったのは、
そんな青くさい対立が逆に僕に火をつけたから、と振り返ります。
その方も、この世を去って、もう何年にもなります。
そして、引き戸は20年以上、毎日毎日、開いたり閉まったりを繰り返しました。
夏の盛りからゴトゴトと動きが悪くなって、とうとう昨日、自分で戸車を替えました。
小指で動くほどに軽くなったとき、そう、あなたのことを思い出しました。
Rプラニングの豊田さん、まさかあなたがジャズがお好きだったとはね。
再会は、ジャズ大衆舎の前身、正解本舗主催のライブでのことでしたよね。
そして、最後にお目にかかったのも、また正解本舗でのライブ、でした。
戸車を替えて、僕はいきます。