三度目の3.11
東日本大震災そして福島原発事故からちょうど2年が経過した。なかなか進まない被災地の復興とまったく先の見えない原発事故の収束。被災者の痛み、広汎な放射能汚染への不安を、見て見ぬふりをするかのように、政府は原発再稼働、新増設へと舵を切ろうとしている。マスコミ報道も、たしかにここ何日かは震災・原発問題を活発に伝えていたが、それ以外はむしろ経済やTPP、朝鮮半島情勢ばかりで、もう終わったことにしてしまおうとしているのかとさえ思える。そんなマスコミが思い出したように「風化させてはいけない」と叫ぶのは、「自分に言っとけ」と怒鳴り返してやりたくなる。
自分たちの方はどうか。10日は、組織動員ではあったが、広島に原発反対の集会とデモに参加した。福島からの避難者や原発建設を反対する人々の言葉は切々と胸を打った。だが、集会・デモともにどこか活気がなかった。11日出勤して職場で話題になるのが、悲しいかな、まずWBC。ジャズ喫茶でも、「まあ大事なことじゃろうけど、テレビでずっとあればっかりじゃけえ…」とやっぱりWBC。
(全文・主宰 写真,改行・石原健)