いつ はじまり おわるともない ひとやすみ
春には閉店をかんがえていらっしゃるお店の傍らに、色ずく深紅の葉。
カメラを寄せると、なぜかスクリーンにイヤホンが浮かび上がる。ファインダーから目を離して、枝に絡まるその様子がはじめてわかった。
捨てられたのだろうか、それとも落としたのだろうか。いずれにせよ、誰も知らぬままイヤホンは、今日まで枝に纏わりついたままだった。