笠岡市 めがねと補聴器専門店・ツザキが お店の日常と 小さなまちでの活動などを綴ります

2013-02-12

リクオ×藤井一彦 2月10日(日)ポレポレ

リクオ×藤井一彦 2月10日(日)ポレポレ

ポレポレのライヴ開始は通常19:30だ。この日店に着いたのが19:00。ところが、この日に限って、19:00開始とある。慌てて狭い階段を駆け上がり扉を開けると、テーブルが取り払われた店内にお客さんがぎっしり、50は下らない人数だ。地元も地元、ポレポレが輩出したスター藤井一彦登場とあって、開演を待ちわびるお客さんたちは、すでに熱気を帯びている。

「やられた!」と一瞬冷や汗。でも、後方から立見というのも、演奏風景がよく見えて、悪くない。
面白いのは、その年齢層、30台後半から40台中盤くらいか。それ以外の層がまったくいない!しかも、自分の知り合いが一人もいないというのも、驚きだ。

声援に包まれて、リクオと藤井一彦が登場。
一彦は開口一番「うるせえ!」
いい感じだ。

一曲二人で演奏したあと、前半は、ピアノ弾き語りによるリクオのソロ。CDを一枚聴いたことがあるにはあるが、ライヴはまったく初めて。「弾き語り」というより「弾き歌い」という方が適当か。その歌声は強く明快で、ピアノは快活そのものだ。どちらも最高に巧い。MCもうまい。震災以降、自分がどこへ進むべきか、その悩みを素直に語る。それをテーマにした歌も歌うが、表現に曖昧さはない。エンターテイメントのツボを心得ていると言うべきか。


後半は、アコギ弾き語りによる藤井一彦ソロ。休憩中に、マスターのユウさんは、ライトニン・ホプキンスなんか流して、心憎い。

一彦は、対照的に震災のことは何も喋らない。それは善し悪しの問題ではないし、彼が震災のことに無関心というのでもないだろう。表現にそれを持ち込むか否か、それはやる者の自由だ。歌といい、ギターといい、ステージマナーといい、不良中年ロッカーという感じで完璧。これも、「弾き語り」というにはワイルド過ぎるか。ブルース~ロック的でハードなギターワークは、バンドサウンド的で、やっぱりグルーヴァーズを観たくなる。

最後に二人のデュオとなり、アンコールにつぐアンコールで大いに盛り上がり、終わったのは22:30くらいだった。予定調和的な部分がもちろんなくはないが、客のおおかたは、そんなことは百も承知、それにはまりに来たという風情だ。

納得のライヴであった。



(全文・主宰 写真,改行・optsuzaki)