笠岡市 めがねと補聴器専門店・ツザキが お店の日常と 小さなまちでの活動などを綴ります

2011-04-08

武久源造チェンバロ・リサイタルによせて

1.ヴィヴァルディ=バッハ コンチェルト ニ長調 BWV972 
2ヴィヴァルディ=武久 コンチェルト 「春」
3F.クープラン 第18オルドルより「修道女モニク」 「ティクトクショク」
4J.C.バッハ ソナタ ニ長調 作品52





 武久源造の今回の来福は、はじめは楽器の調整によるものでした。せっかく来てもらうなら演奏もしてもらいたいという主催者からの申し入れによって、急遽企画されました。もっとも、私たちは、きたる5月15日(日)に青木洋也とのデュオリサイタルを計画していたので、このような30分程度の小さなリサイタルにさせていただきました。

 もっと聴きたいと思われる方もいらっしゃることでしょうが、その思いを5月の演奏会に繋いでいただけたら嬉しく思います。

 さて、このようなことを演奏者とメールでやりとりするわけですが、その中で大きな話題となったのが、言うまでもなく東日本大震災とその被害・影響のことでした。武久源造は、ひとしきりそのことに触れながら、「こういう時こそ音楽だ」と力強く語ります。

 こういう時だから音楽なんかやってる場合じゃない、というのも一つの考えですが、「こういう時こそ音楽だ」と音楽家が自信をもって語るのも、また別の説得力をもつように思われます。

 音楽家にとって、どんな場合においても音楽をやるのがただしいあり方でしょう。

 また、演奏者本人に相談したわけではありませんが、今回の演奏会をいわゆる“チャリティーコンサート”にしませんでした。もちろん、そういった趣旨の演奏会が数多く催されており、参加した人々が特別の思いを抱いておられることも承知しています。

実際に、会場に集って下さる方々の多くが募金活動や援助活動に何らかの形でかかわっておられることでしょう。それは、それぞれの生活の場でそれぞれの意思でおこなわれるべきだと思います。しかし、この小さな営みに「チャリティー」の名を冠することは、あえて見合わせたいと思いました。

武久源造の言をかりるならば、こういう時こそ音楽の奥深い根源的な力を求めたいのです。そうすることが、私たちひとりひとりを、よい働きの場に導いてくれるものと信じるのです。

(全文・主催者 写真,改行・optsuzaki)