笠岡市 めがねと補聴器専門店・ツザキが お店の日常と 小さなまちでの活動などを綴ります
2010-09-05
コンセール・ジャズ大衆舎チラシ 2010年秋号 序
音楽CDの売り上げは減少の一途をたどっているというのに、コンサート・ライヴに集うお客さんは増えていると聞きます。その理由を論証することはできませんが、なんとなくわかるような気がします。
現代に生きる私たちはみな、忙しく時間のやりくりに追われる日々を送っています。いつでも聴くことができるCDやいつでも観ることができるDVDなどは、そう思うがゆえに後回しになってしまいがちです。いつでも鑑賞出来るという安心から、結局何年も開封せずに棚に積んだままのCDやDVD、けっこうありますよね。ならば、そんな無駄なことはやめにして、買わない方が賢い、と。
一方で、コンサート・ライヴはそうはいきません。心に留まった演奏会のチラシ、それを眺めながら、聴きに行こうかどうかと思案します。よし行こうと決めたとして、その時間をなんとか都合をつけ足を運びます。演奏は一回だけ、それゆえに、CDやDVDを鑑賞するのとはくらべものにならないほど、集中して耳を傾けます。
そして素晴らしい音楽に触れ得た喜び、その場に自分が存在し多くの人とその喜びをわかちあうことのできたときの充足感、それはかけがえのないもので、どこか宗教的な体験にも似た崇高なものに違いありません。音楽を愛する人々は、そういった一回性の感動を求めているのではないでしょうか。
コンセール・ジャズ大衆舎では、これまでにみなさまにそんな音楽会を提供してきた、という静かな自負を持ちます。しかし、心高ぶることなく、これからも質の高い音楽をみなさまとともにわかちあっていきたいと考えています。
さて、今年の秋は、二つの演奏会を準備しています。加えて、二つの演奏会をサポートすることにしました。これまでに私たちに信をおいて下さったみなさまの期待に、必ず応えるものに違いありません。
(全文・主宰提供 / 写真,改行編集・optsuzaki)