甲高い小動物の悲鳴が、裏から響きました。まったく何の声かわからないのですが、鳥が蛇に捕まったにしては、長く鳴き続けています。
懐中電灯を携えて出てみると、つがいのちいさなけものたちでした。どうやらイタチです。つるものを植えている網に、尾か足をとられていました。
相方はこちらが近づくギリギリまで、そばでいったりきたりしながら見守っていましたが、人間に助けてもらえるとは思えないのが当たり前、カメラを取りに帰ると、もうそこにはいませんでした。
雨上がりの誰もいないけものみち、だったのでしょうに。おふたりには、とんだトラブルナイトでしたね。
牙をむき怒気をあらわにするイタチは、やはり危険。遠巻きにナイロン糸をはさみで切りながら、少しずつ根気よく解放していきます。
この一本かな、とおもわれる一筋を切った瞬間に、暗い闇の中に吸い込まれるように駆け込んでいきました。