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| 2025/11/22-10:55:01 |
この写真を撮ったころ、なんどか指先の動きや知覚に、限界を感じたものだった。
ともかくうまく直せない(と思えるほどの)修理や調製が相次いだ。商品が多様化したため、パーツや構造がメーカーによっては、互換性が乏しく独自になっているものがある。
誰かに頼めばできるものは、費用と時間が掛かってもそれが一番なのだけれど、納期とお客さんの都合で、外注できるものとできないものはある。製造元が先方の都合で販売ルートを制限してしまったような場合は、ことさらに難しい。
自店で販売したものは「これはすぐになおりません」とはなるべくなら言いたくないのだが、想像していたよりも時間がかかる場合は、もう待っていただくほかない。
問題はその作業時間の見通しが立たないときである。
そんな遅々として進まない作業に、全く違うポイントであるとき対応策を考え付くときがある。やはり切実感がなければ、知恵は出ないのかもしれないが。
パーっと視界が開けるようなちょうどそのとき、ちいさなアリが机を横切る。
彼もまた道を探していたのだろう。小さなプラケースにさえぎられた空間の下、隙間をすり抜けるように歩き去っていった。小さいからこそなし得る回避策、というのはあるものだ。
