t.c. electronic Konnekt 24D w.KORG MR-2 |
先日の録音セットは、直前にマイクプリを使い慣れたKonnekt 24Dに変更しました。
モニター設定の都合と、レコーダーの2台同録がしやすかったこと、もう一つには、機器のヘッドルームに対する“信頼感”というのもあります。
やや大ぶりな金属筐体、それでいてプチプチでくるみたくようなナイーブな外観(後続モデルは樹脂カバー)なので持ち出しに躊躇していましたが、会場で見る安心感は、t.c. electronic製品に通底するフィールだと思います。
ところが、最近のt.c.、こんなインターフェイス類が姿を消していて、少し残念です。他社にしても、無用にチャンネル数が多くなり、一本あたりのプリアンプの質が上がってこないのは本末転倒な感じがします。それは、そのまま音楽シーンの裾野を形成するアマチュア層の停滞を見る気がします。
ICレコーダーについても、同じようなことが言えます。これまた、残念ながらMR-2、期待された後継機もなく、ディスコンとなったのですね。兄弟機のMR-1000がSSD化されないまま終わるあたりも、パッケージとしてのICレコーダー市場の狭さを感じます。おそらく市場の終焉は、デジカメのそれより早く、コンシューマーはスマホか、PC、という両極に分化されていくのでしょうか。
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さて、音楽を生々しく録音し手軽に聞く、というニーズが増えない理由は、決して著作権等の問題だけではないと感じます。時にそれは演奏者自身や耳の肥えたリスナーの間でつぶやかれる、“いい音楽は生でしか体験できない”という紋切りな主張と重なります。
もとより、空間に生い茂った音楽の、そのすべてを残すことなどできないには違いありませんが、「記録された音楽」には再度聞かれることにより、楽器を手にしない一般リスナーも「送り手の思いに気づき成長していく」というミッションがあるはずと、僕は考えています。
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