笠岡市 めがねと補聴器専門店・ツザキが お店の日常と 小さなまちでの活動などを綴ります

2014-08-29

KIKI BAND 2014

KIKI BAND 2014

メンバーの誰がリーダーになってもおかしくないほど、高い音楽性と演奏技術をもったこのクォーテットが、15年も続いているというのは、奇跡といっていいかもしれない。個性あふれる四人の音楽が、まさに奇跡的に相性がいいというのが、一つの理由かもしれないが、そうはいってもずっと一緒に演奏し続けるのは、いつか飽きてしまうものだ。とすると、毎年夏にだけツアーを組んで集中的にライブを重ねるというやり方が、バンドを存続させる陰の要因になっているのかもしれない。

その15年目の夏は、このバンドの一つの総括にあたるツアーであるように思えた。毎年、新しいアルバム、新しい曲をひっさげて、登場するのだが、今年についていうと、これまで演奏してきた曲を、三つのプログラムにわけて再演していくやり方であった。新しいアイディアが出なかったとは考えられない。というより、このツアーを通してこれからどうするか、つまり回顧と展望のツアーと位置付けていいだろう。

さて、我が福山では、彼らの言うプログラムB、すなわちロックのプログラムが演奏された。よそのライブを聴いたわけではないので、比較出来ないが、私自身は、KIKIバンドのロック的な楽曲が一番好きだ。とりわけ、ドラムのジョー・トランプの手数の多いハードなポリリズムは、このバンドのソリッドなノリにぴたりとくる。

押し寄せる音の嵐に若干ひるみつつも、私はKIKIの強烈なグルーヴを堪能した。ソロといいコンビネーションといい、その巧みさはこのバンドが一つの絶頂期にあることを確信させた。

来年夏にはすでにヨーロッパでのフェスティバルへのオファーが来ているという。日本でもツアーが組まれることになるだろう。

「総括」以後のKIKIがどう変化・進化をするか、聴く方は楽しみだが、バンドとしては一つのトライアルかもしれない。
























(全文・主宰 写真,改行・石原健)